" /> 2024年12月 | 本読み広場

2024-12

昭和の文学(戦後)

【野火】戦後文学の金字塔。大岡昇平が自身の戦争体験を賭して描いた極限の記録

太平洋戦争末期、フィリピン・レイテ島。部隊と病院から追放された兵士・田村が、飢餓と孤独の極限で死の淵をさまよう。この小説は、戦争という巨大な暴力の中で、理性が剥ぎ取られ、人間の存在理由そのものが崩壊していく様を、冷徹かつ詩的な筆致で描く。戦場の描写を超え、人間の魂の深淵に迫る、日本戦後文学の金字塔。
昭和の文学(戦後)

【キッチン】吉本ばななの創作の原点。新しい家族の形と、生きる力を問う傑作

すべてを失った大学生・みかげが、風変わりな親子との同居を通じて、孤独と死を受け入れ、再生していく姿を描く。吉本ばななの初期の傑作である本作は、日常に潜む生と性の多様性、家族の新しい形、そして「食べる」ことの根源的な力を優しく、力強く問いかける。優しさと喪失の情感に満ちた、不朽の名作。