彼女に踏みにじられたい、そんな欲望が君の心の奥底にもひそんでいるはずだ!
新潮社HPより
どんな物語?
譲治は、ナオミというカフェの女給と知り合います。その時、ナオミは数えで十五歳、譲治は二十八歳でした。
譲治はナオミを引き取って教育し、望みがあれば妻にしても良いくらいの程度に考えていました。
譲治はナオミに恋をするというよりも、立派な女性に仕込むことが楽しみでした。
始めのころは、譲治に従順だったナオミでしたが、生活を続けるにしたがって、二人の関係に変化が現れ始めます。
感想
物語の中に男女のやり取りが描かれる事はよくあると思いますが、こんなに読んでる人をハラハラさせたり、つらくさせたりする話を私は他に知りません。
正に愛憎劇とでもいうのでしょうか。
苦しみながらも、時には滑稽にも見える、主人公である譲治の感情描写が、心に刺さります。
印象深いシーンは色々とありますが、主人公に従順だったはずの女性=ナオミが、賢さと強さを身に着けていく様子が、私は一番強いイメージとして残っています。
ナオミは十分に物語の中心を支える強烈な人物でありながら、とても現実的な存在だと思いました。
だって、多かれ少なかれ、嫉妬心を湧かせるような行動をとる女性っていますよね。
本人はそんなつもりは無いのか、ワザとなのかは分かりませんが‥。
だからこそ、ナオミに翻弄されまくる譲治の不安や葛藤も想像に難くないため、二人の感情が読者の心に直球で入り込み、これだけの読書体験をもたらすのだと思います。
私は常に、譲治に同情し、応援しながら読んでいました。
待て待て、負けるな、頑張れ、‥‥あらら みたいな感じですかね(笑)
読んでいてつらいところもありますが、読後感は悪くありませんので、あなたも是非、昭和の名作小説を堪能してみて下さい。
こんな人におすすめ
物語の中の非現実な中で、嫉妬心を募らせたい人
小悪魔的な女性のナオミに興味を持った人
興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!
ここまで、読んで頂き、ありがとうございました!
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