" /> 二十四の瞳 壷井栄 感想 | 本読み広場

二十四の瞳/壷井栄 感想(ネタバレなし)

日本の小説

こんな先生、こんな生徒だったらなぁ。だからこそ、皆に読んでもらいたい。

新潮社HPより

どんな物語?

貧しい寒村に赴任してきた新任の女性教師と十二人の子供たちの物語です。

今の世の中と違い、昔の家では子供とはいえ、働き手の一人であり、学業よりも家での仕事が優先になってしまうこともあり、決して楽ではない日々の生活を送っていました。

そして、子供たちは様々な気持ちですくすく育ちながらも、時代は子供たちの知らないうちに、戦争に向かって進んでいきます。

感想

大人からしたら、ちょっとしたことでも、子供からすると大きな喜びや悲しみとなり、大きく響く姿に心を動かされます。

物語の中では、戦時中も空襲などの場面はありませんが、戦地へ向かう若者を見送る側からの視点で、悲しみが語られています。

戦時中は、若者は散ることが、究極の目的であり、誇りである時代。

戦地へ行くときも、「勝って戻ってくる」という言葉一つでも。「戻ってくる」という言葉は声をひそめて話さなくてはならないような、そんな世の中。

こんな中で戦地に向かっていく子供たちが不憫でもあり、そんなことはおくびにも出さない立派な子供たちの姿が、どうしようもない悲しみを感じさせます。

戦争は実際に起こった事であり、この物語に描かれるような、悲しい出来事は恐らく、当時の日本の至る所にあったのでしょう。

そう思うとこの作品の語る悲しみが、より一層、現実的なものに感じてきます。

今の世の中でも、子供たちなりに色々な悩みや悲しみは、きっとあるのでしょうが、戦争という運命の波に巻き込まれ、それでも逞しく成長していく子供たちと、愛ある視点で、見守っていく先生のやりとりに、様々な感情が揺さぶられると思います。

こんな人におすすめ

先生と子供たちの愛情あふれるやり取りを、心に感じ取りたい人

大きな悲しみをもたらしてきた「戦争」というものを、当時の人々の物語で感じ取り、認識を深めたい人

興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!

ここまで、読んで頂き、ありがとうございました!

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