三四郎は、君だ。恋の悩み、学問への疑問、友との関係……何度読んでも新鮮な気持ちになれるみずみずしい永遠の傑作。
新潮社HPより
〇どんな物語?
1908年に発表された作品です。
三四郎が、熊本から大学進学を機に上京してきて、様々な人たちと出会っていきます。
友人との交流や、思いをよせる女性とのやりとり、大人や先輩に影響を受けていく様子など、初々しい若者の成長を、見守っていくような物語です。
〇感想
主人公の三四郎には、優柔不断なところはありつつも、それが微笑ましく、応援したくなる気持ちが湧いてきます。
序盤の汽車で出会う女生徒の話のインパクトが強く、何かの伏線かなとも思っていましたが、後になって「あなたはあの時の!!」なんていう軽い展開にはなりませんでした。
又、この言葉を言われた時の、三四郎の表情を想像すると、思わず笑みがこぼれてしまうような、滑稽でありつつ、印象深い序章だと思います。
しかし考えてみるとこの出来事は、東京に行ってからの三四郎を暗示しているようでもあり、もっと考えると三四郎が思いを寄せる、美禰子が口にした「ストレイ・シープ」という言葉もそうですし、何度か読むことでもっといろんな事を感じることができるような気がします。
この絶妙に分かり切らないところが、時間がたった時に「また、読んでみようかな」という気持ちにさせるのだと思います。
やっぱり、100年以上たった今も、読み続けられている作品は、すばらしいです。
〇こんな人におすすめ
若者の成長物語を見守りつつ、主人公と共に苦楽を共感したい人
「名作文学」って、堅苦しそうで、何となく敬遠している人
少しでも興味を持たれた方は、是非この名作を体験してみて下さい。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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