来る日も来る日も砂・砂・砂……。
新潮社HPより
どんな物語?
妻に昆虫採集に行くと言って、出かけた男性は、そのまま行方不明になってしまった。
果たして男性はどこに行き、何が起こったのか‥‥。
物語の冒頭では、男が行方不明になり、本当の理由が分からないまま、七年たち死亡認定に至ったという過程が語られます。
そして、その後の章から男が登場して、物語が進みます。
読んでいる側とすれば、「結局は帰れないんだ‥」というのは分かっているので、同情的な感覚で読み進めることになりますが、それが何だか不安感を生み、好奇心をくすぐります。
この「砂の女」は、現代日本文学を代表する傑作の一つとみなされており、海外の評価も高く、20数か国語に翻訳されている物語です。
感想
砂だらけの過酷な生活に入り込んでしまった男の運命は‥。
環境としては、個人的にとても耐えられない状況です。
体に砂がつくのはまだしょうがないとして、食事をしても口に砂が入ってじゃりじゃりしそうだし、住んでいるところにぺっぺ(汚い)する訳にもいかないし‥‥。
と、現実ではあり得ない、想像力をこえた状況描写と不思議な世界観を味わうことができます。
作品が発表されたのは昭和37年(一九六二年)と大昔ですが、その年代の作品のイメージとはうらはらに、手に汗握るような場面もあり、思わぬ疾走感を感じる場面もありました。
砂の中で出会った(出会わされた)、すでにこの状況を受け入れている様子の女も、あきらめているような無力感があって、男にとっても、味方なのか敵なのか分からない不思議な存在です。
こんな人におすすめ
海外でも広く読まれた不思議な世界観を味わいたい人
想像力を超えてくる、情景描写を体験したい人
興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!
ここまで、読んで頂き、ありがとうございました!
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