" /> 悪の教典 小説 貴志祐介 感想 | 本読み広場

悪の教典/貴志祐介 感想(ネタバレなし)

日本の小説

強烈な不快感と好奇心。サイコ教師が発する不気味な魅力の行動心理。

どんな物語?

2010年(平成22年)の作品。

高校で英語の教師をしている蓮見聖司は、生活指導の担当も受け持っており、日々生徒間のトラブルや問題行動の対応に追われている。

普段は生徒からの人気もあって、同僚の教師からも一定の信頼を受けてはいるが、誰もが想像できないような裏の顔を持っていた。

数々の問題を抱える校内のなかで、天才的な頭脳を持ちながらも、人として必要な感覚が欠落している蓮見は、やがて常識とはかけ離れた驚愕の行動に突き進んでゆく。

感想

なんとまあ衝撃的な作品です。

夢に見そうな怖さがあります。

序盤にただよう 優秀で人気者の教師であるはずの蓮見に、ふとよぎる「ん?」という不穏な雰囲気。

少しずつ明らかになっていく、蓮見の正体。

そして驚愕の展開へ‥。

かなりのボリュームがある作品ですが、勢いが収まることは無く、一気読み必至です。

ひときわ異彩を放ち、読者に不快感と好奇心を抱かせる、蓮見の存在感は他の追随を許さないのですが、その他の登場人物も個性にあふれていて、それが物語に更なる厚みを持たせています。

それがあるからこそ、追い詰められている時などは、様々な登場人物たちの危機感が読み手にも伝わってきますし、そういった状況下での、それぞれの判断や行動には人間性が現れていて、興味がつきません。

描かれる物語の舞台は本来、青春真っ只中の空間のはずですが、そこで起きる想像もできない惨状というギャップが更に怖さを助長します。

こんな人におすすめ

極限の恐怖に巻き込まれた人々の、様々な決心や判断に興味がある人

想像もできないような怪物の人間性に興味を持った人

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!

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