" /> 嵐吹く時も 三浦綾子 感想 | 本読み広場

嵐吹く時も/三浦綾子 感想(ネタバレなし)

日本の小説

北海道の豊かな大地を舞台に著者の4人の祖父母をモデルとして人生の輝きと儚さを描く。

新潮社HPより

どんな物語?

1986年(昭和61年)の作品

北海道苫幌村で唯一の商店の娘である志津代と、宿屋の三人息子の文治。

志津代と文治を中心に、双方の家族の様子が描かれます。

志津代の父である順平が留守のある夜、志津代は家から離れていく男がいるのを見かけます。

そのまま家じゅう泥棒騒ぎになりますが、これが後に志津代と両親が抱える苦悩のきっかけになっていきます。

感想

氷点」「続氷点」「塩狩峠」と私の読んだ作品のなかで、ハズレなしの三浦作品ですが、やはり今回も読ませます。

主要な登場人部である、志津代と文治は初めは少年少女の年代で登場しますが、お互いの事や、家族内の様々な出来事を感じて行きながら成長していく様子は、思わず共感し、見守りたくなるような気持ちにさせられます。

心理描写は巧みであり、登場人物達の思い悩む姿には、自分では気付かないような発見もあり、読んでいて思わずうんうんと頷いてしまうようです。

その時その時の登場人物の気持ちや行動が、他人にどのように影響を与えていくのか自分なりに考えてみたり、物語のストーリーを頭の中で反復してみたりと、「面白かった」の一言では終わらない、物語の深さを感じることができます。

作中に語られる「人はあやまちを犯さなければ、生きてはゆけない」という言葉が心に残ります。

そして、その罪を背負って生きていく人、それを許して温かく見守る人達の心理に深く感心し、自分の中の新しい感情が芽生えるような読後感を得ることができました。

こんな人におすすめ

心に罪を背負って生きている人、正しく生きる人を対比して、自分でもどのような共感を感じるか発見してみたい人

人が人に与える影響が、実際にどのように作用していくのか感じてみたい人

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!

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