銀河鉄道に乗ったジョパンニの美しく哀しい、夜空の旅。世代を超えて愛される幻想的な不朽の名作。
どんな物語?
1934年(昭和9年)の作品。
少年ジョパンニは、家計を助けるために活版所で働き、学校では貧しさゆえにいじめられ、孤独な日々を送っている。
ある晩、丘の上に一人で訪れたジョパンニの目の前に現れたのは銀河鉄道であった。
いつの間にか鉄道に乗り込んでいたジョパンニは、そこで唯一の友人のカムパネルラを見つける。
そして二人の不思議な旅が始まる。
感想
幻想的で不思議な物語です。
銀河鉄道というと、それに乗ると言うことは夢のような楽しそうな感じがしますが、作品のなかでは、もの悲しくて寂しい雰囲気なのが印象的でした。
列車の中でジョパンニは、様々な境遇の人々と出会い、彼らの語る言葉や、車窓から見える幻想的な光景を通して、死生観や幸福の意味について深く考えさせられます。
「銀河鉄道の夜」は、読み終えた後も長く心に残る作品です。
私たちはジョバンニと共に旅をし、彼の悲しみや喜び、そして成長を経験します。そして、物語を通して、私たち自身の人生の意味や、他者との繋がり、そして宇宙という広大な存在について、改めて深く考えるきっかけを与えられるのです。
この物語は、宮沢賢治が人生をかけて探求した「本当の幸福」への問いかけであり、読者一人ひとりがそれぞれの答えを見つけるための道しるべとなるでしょう。
また、この本は表題作の「銀河鉄道の夜」を含む、14編の作品が収録されています。
雰囲気は大人の童話といったイメージです。それぞれ簡単に見えるストーリー展開にも、深い意味が示されているような気がして、読み返してみてもその都度、新しい発見や解釈があるような深みを感じることができました。
短編なので、ふと思い出した時に、「よく分からなかったあの場面を読み返してみよう」とか、お気に入りの物語を再読してみたりとか、人それぞれの楽しみ方ができる作品集だと思います。
こんな人におすすめ
宮沢賢治の世界を探求したい人
日本文学の不朽の名作と言われる作品に触れてみたい人
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!





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