" /> 氷点 三浦綾子 感想 | 本読み広場

氷点/三浦綾子 感想(ネタバレなし)

日本の小説

様々な感情が折り重なる圧巻の物語
苦しみながら生き抜いていく家族の生きざまに、きっとあなたの新しい感情が掘り起こされる!

どんな物語?

辻口医院の院長である、辻口啓造の妻夏枝は、眼科医の村井に魅かれ、二人で話をするために、部屋に来た娘のルリ子を部屋から追い払います。

しかし、その後ルリ子はある男に殺されてしまいます。

ルリ子がいなくなった時間帯に、夏枝と村井が二人でいたことを察した啓造は、二人に嫉妬し、そして憎みます。

悲しみにくれる夏枝の頼みで、子供をもらう算段をつける啓造ですが、知人のつてにより存在を知ることになった犯人の子供をもらい受けることにしました。

夏枝はその子が犯人の子だとは知らずに育て始めます。

この啓造の嫉妬心からくる判断が、この後の辻口家の家族一人一人の大きな苦悩になっていきます。

感想

辻口家を襲った大きな悲劇をきっかけにして、さらなる苦悩が家族を待ち受けています。

物語は家族それぞれの視点で描かれますが、私は人間的には辻口家の主人である、啓造に共感を覚えることが多かったです。

決して悪い人間ではないのでしょうが、一度の怒りを解消することができずに、いつまでたっても恨みを持っていたり、改心したかと思えば、いつの間にか元の考えに戻っていたりと、読んでいて「まったく‥」と思いながらも「自分もそうかも‥」と思わされてしまうところがありました。

そうかと思えば、もらわれてきた娘は、読んでいて感銘を受けるほどの人間性を持ち、様々な感情が渦巻く辻口家のなかで、ひときわ輝きのある純粋な存在です。

可哀相だと思ってしまう場面もありましたが、立派に成長していく姿は読んでいて気持ちを熱くさせます。

四人家族とその友人達も巻き込んだ、家族の苦悩の物語ですが、ページをめくる手が止まらなくなるようなストーリー展開には、大満足させられました。

こんな人におすすめ

登場人物の様々な感情が描かれる人間模様を感じてみたい人

不思議な境遇にいながらも、立派に成長していく女の子を見守りつつ、応援したい人

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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