" /> 野火 大岡昇平 感想 | 本読み広場

野火/大岡 昇平 感想(ネタバレなし)

日本の小説

テレビや教科書では教わらない、戦争の真実がここにある。

新潮社HPより

どんな物語

舞台は戦時中の、フィリピンのレイテ島です。

敗戦濃厚な日本軍は、あらゆるものが不足していて、部隊でも病院でも余分な人間を受け入れることはできない状況になっています。

そんな状況下で、行くあてもなく放浪するはめになってしまった田村。

思わぬ形で自由を手に入れてしまったものの、争いは続いており、命の危険が無くなったわけではありません。

しかし、本当に田村を苦しめたのは、敵兵ではなく、極限の飢えでした。

感想

一人三回の食事、雨風をしのげる家、体を洗う風呂。

そんなことが当たり前の生活に慣れている人にとって、この物語のサバイバルな環境はどれだけ過酷なものでしょう。

正直言って、何の設備もない自然の中で、一晩明かすことでさえ、想像ができません。

しかも、極度の疲労と空腹と戦わなくてはなりません。

同じ境遇の兵もたくさんいますが、もはや戦争なんて関係ない次元の、生きていくための非常事態となっております。

本来であれば、こんな時こそ他人と協力して生きていくはずなのに、人をどうやって利用するかという魂胆が見え隠れしていて、信用できません。

そこには友情なんてない、悲しい世界です。

しかし、精神も体力も限界を超えてしまった時、人はこのようになってしまうのかもしれません

読みながら「果たしてこの人を責めることが、できるのだろうか?」と思い、自分ならどうなるだろうと、考えさせられました。

こんな人におすすめ

戦争により海外の島に行き、過酷な運命を味わった兵隊たちの様子を物語を通して、感じてみたい人

極限の状況に追い込まれた人間がどうなってしまうのか、ということを感じてみたい人

ここまで、読んで頂き、ありがとうございました!

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