身も心も愛してほしいのに、なぜ男は冷たいふりをするのよ。
新潮社HPより
どんな物語?
ノーベル文学賞を受賞した、川端康成の代表作の一つ。
物語は、雪国にある温泉場を訪れている、島村という男性の視点で描かれます。
そこで、島村は駒子という芸者と出会い、また葉子という女性とも出会います。
二人の女性と島村とのやりとりや、その時代の人々の生活、そしてその土地の風景が、さすがの文章力で美しく描かれています。
感想
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という有名な書き出しは、本作品を読んでいない人でも、ご存じの方も多いと思います。
そして、この書き出しにより、雪国に入り込んだ美しい風景のイメージが強く頭に残り、その後の風景描写と幻想的な車内の表現により、更に物語の中に引き込まれていきます。
裕福であり、あまり生活には苦労してなさそうな島村は、正直言って、うらやましい存在です。
こんなに自由に家を開けて温泉地に長期間居続けるなんて‥‥。
島村については、あまり深くは語られませんが、そこまで存在感を出してこない島村と、日々を必死に生きている駒子の、二人の印象の違いが、駒子の生命力の強さを感じさせているように思えます。
そしてもう一人の女性の登場人物である、葉子も所々で登場し、印象深く描かれています。
古き良き日本を思わせる情景と、そこで交わされる人々のやりとりを感じ、なおかつノーベル文学賞作家の作家の作品を読んだという自己満足感を味わえる、素晴らしい作品です。
登場人物の感情や行動も、読みかたによっては違うとらえ方もあると思いますので、機会あるごとに読み返して、これからも深く味わっていきたいと思っています。
こんな人におすすめ
美しい情景描写で描かれる、雪国の温泉地の雰囲気や人々のやり取りを堪能してみたい人
ノーベル文学賞を受賞した作家の代表作に興味を持った人
興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!
ここまで、読んで頂き、ありがとうございました!
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