唯一の肉親であった祖母を亡くし、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居することになったみかげ。日々の暮らしの中、何気ない二人の優しさに彼女は孤独な心を和ませていくのだが……。
KADOKAWA HPより
どんな物語?
・キッチン
・満月ーキッチン2
・ムーンライト・シャドウ
という三編の物語集です。
初めの2つの物語は、家族が年月の中で少しづつ減っていってしまった女子大生みかげと、そんなみかげに手を差し伸べる、ある親子の物語です。
ムーンライト・シャドウはこれ単体の物語で、悲しみを背負った若者たちが体験する、不思議と感動の物語です。
感想
3作品とも共通しているのは、悲しみを抱えながらも、ゆっくりと前に進もうとしていく若者たちが、描かれているということであり、一つ一つのエピソードが心に響きます。
〇キッチンとキッチン2
主人公みかげにとって、最後の肉親だった祖母が亡くなり、その後、祖母がつないでくれた縁で、ある親子と知り合うことになります。
普通では有り得ないような展開にも、素直に「よかったね」と思えるような温かい幸せの風景が描かれます。
自分が悲しい時の相手の優しさ、また、相手が悲しい時に自分が与えられる優しさに、思わず、胸が温かくなるような思いがします。
〇ムーンライト・シャドウ
ある共通の悲しみを背負ってしまった、若者二人。
それぞれ自分なりに、悲しみに負けずに生きているのですが、そんな簡単に振り切ることはできない感じがとても悲しく感じます。
そして、不思議な女性うららとの出会い
悲しくもあり、前向きにもなれる、本当に愛すべき物語だと思います。
こんな人におすすめ
登場人物と悲しみを共有しながら、それを乗り越えようとしていく前向きな体験をしたい人
悲しみを背負う登場人物たちを見守るような、優しい文体を感じてみたい人
ここまで、読んで頂き、ありがとうございました!
興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!
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