" /> 日本沈没 小松左京 感想 | 本読み広場

日本沈没/小松左京 感想(ネタバレなし)

日本の小説

迫真のストーリーで迫る、日本人必読の書!

どんな物語?

1973年(昭和48年)の作品

地震や火山の噴火が頻発するようになった日本列島。

潜水艇の操縦士である小野寺は、地球物理を専門とする田所博士と海底調査を行い、それをきっかけに日本列島の大きな危機を導き出します。

それはやがて、政府の極秘プロジェクトとして動き出し、その結果を裏付けるように、各地で大地震や噴火が起こり始めます。

日本列島に未曽有の危機が迫った時、政府や行政は様々な対応に追われ、国民は命運を切り開くために動き始めます。

感想

まず、驚かされるのは圧倒的な知識量です。

作者の小松左京さんは京大出身で、調べてみると、

広範囲で深い教養を備えた知識人であり、その活動範囲は幅広く膨大なジャンルにわたる。
Wikipediaより

とも評されており、その力量が遺憾なく発揮されています。

それに対して私は無学なため、創作の部分と現実に起こりえる部分との見極めは当然つきませんでしたが、物語全体が起こりえることのように思われて、引き込まれました。

「日本沈没」ということで、シチュエーションとしては、映画向きなようなイメージを持ちましたが、読んでみると小説の醍醐味がたっぷりあります。

何かが起こり始めているという不気味な雰囲気や、科学者たちの様々な予測、社会の反応などの描写はリアリティーにあふれています。

揺るぎない大地というものの安心感が崩壊してしまった人々は、どこに安心感を求めればいいのでしょう?

そんな不安感があふれてきます。

地震大国日本に住む私たちにとって、これは必読の書だと思います。

当然、震災の様子が重要な見どころの一つであると思うのですが、決してそのインパクト頼りの物語ではなく、想定される社会の動きや為政者の思考までに及ぶ詳細な描写は、読者の震災被害の仮想体験となり得るものだと思います。

こんな人におすすめ

大震災が起こった時のシュミレーションとして、事態を体感したい人

「もしも」の時の感覚をこの物語で感じ取り、一つの経験として自分の物にしたい人

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

興味を持たれた方は、是非とも本作品を体験してみて下さい!

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