世界は、一瞬一瞬ごとの「滝」――おそるべき認識が物語を貫く。
新潮社HPより
どんな物語
1970年(昭和45年)の作品
四十七歳になった本田はタイで、物心ついた時から自分を「日本人の生まれ変わりだ」と言っている少女に出会います。
その時はそれほど興味を持たなかった本多でしたが、その少女と約十年後に再会してから、老人と娘ほどの年の差がありながらも、娘に心を奪われていきます。
感想
前半のタイでの様子は、旅行記のような雰囲気で興味深く読めます。
本多も今まではあまりなかったような、一面も出てきており、「それアウトでしょ」というような行動も起こします。
しかし、やはり心理描写は巧みで詳細に表現されており、何だかそれもしょうがないような気分になってきます。
正直私にとっては、「春の雪」「奔馬」と比べると分かりづらいところもありましたが、四冊全部読んだ後に、再度読み返してみようと思います。
改めて圧倒されるのは、前半のタイでの様子の表現力や、さまざまな登場人物の心理描写です。
町の雰囲気を表すにも、表現は細かく、写生するみたいに何かを見て書いているのかと、読んでいて不思議になってきます。
又、心理描写に関しては、登場人物を創作してその心理を文章にしていく「言語化」の部分にただただ感服する次第であります。
この長い物語も残り一冊ということで、大きな期待を持ちながら、次の作品に進みたいと思います
こんな人におすすめ
旅行記のように描かれるタイ・インドの様子を味わいたい人
ただただ、三島由紀夫の筆力に圧倒されたい人
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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